車検切れとは?どうなる?有効期限切れのリスクと対処法を徹底解説

車を所有している以上、避けては通れないのが「車検」です。
人によっては気づかないうちに有効期限が切れてしまい「どうすればいいのか?」と焦ることもあるかもしれません。
車検切れの状態で公道を走ると、法律違反となるだけでなく、重大なトラブルに発展する可能性があります。
今回は、車検切れとはなんなのか、基本的なところから罰則などについて詳しく解説します。

車検の有効期間とは?確認方法と期限内の対応

車は種別ごと定められた有効期間を過ぎると公道を走行できなくなるため、事前に期限を確認し、余裕をもって手続きを進めることが求められます。
この章では車検の有効期限の基本ルールや確認方法、期限内にできる対応について詳しく解説します。
車検の有効期限の目安と基本ルール
車検の有効期限は、一般的に新車登録後の最初の車検は3年、そのあとは2年ごとと決められています。
種別 | 1回目の車検までの有効期間 | 2回目以降 |
自家用乗用車 | 新車登録後から3年 | 2年間 |
8ナンバー車 | 新車登録後から2年 | 2年間 |
バイク(排気量250cc以上) | 新車登録後から3年 | 2年間 |
一般的には上記の表があてはまりますが、バスやトラック、タクシーなどの事業用車両は、用途や車両区分によって異なるケースも。
一部の特殊車両は1年ごとに車検を受ける必要があるため、仕事上関係がある方などは用途に応じた確認をしておくと良いでしょう。
車検の満了日は「車検証」に記載されており、期限を過ぎるといわゆる「車検切れ」の状態となります。
この状態では、公道を走ることが法律で禁止されており、違反すると罰則が科されることに。
「うっかり忘れていた……」では済まされないため、事前の確認と準備が重要です。
有効期限の確認方法

車検の有効期限を確認するには、以下の方法があります。
確認方法 | 記載場所など | 注意点 |
車検証をチェックする | 車検証の「有効期間の満了する日」の欄 | |
車検ステッカー(検査標章)を確認する | フロントガラスの上部に貼られたステッカー | 具体的な日付までは書かれていない(車内側には記載があります) |
車検の案内ハガキや通知 | ディーラーや整備工場から届く | 業者によっては通知を出さないところもある |
日常的、かつ簡単に確認できるのは、車検ステッカーです。
しかし、車検ステッカーには具体的な日付が書かれていないため(車内側には有効期限日が記載されています)、一度車検証でしっかり確認しておくと安心です。
スマートフォンなどを活用して、車検の有効期限前にアラームなどを設定してリマインドしておくと良いでしょう。
車検の有効期間内ならいつでも受けられる?

車検は有効期間が切れる前であれば、いつでも受けることが可能です。
期限の2カ月前までであれば、いつ受けても次回の車検満了日が短縮されることなく更新されます。
例えば、車検満了日が「6月30日」の場合、4月30日以降に受ければ、次回の満了日は「2年後の6月30日」となります。
一方、4月29日以前に車検を受けると、次回の満了日は「2年後の4月28日以前」になってしまうため、早すぎる車検には注意が必要です。
車検切れのリスクと罰則を理解しよう

万が一、車検の有効期限を過ぎてしまうと法律違反となり、厳しい罰則が科される可能性があります。
この章では、車検切れのリスクや法的なペナルティについて詳しく見ていきます。
車検切れの車で公道を走ると法律違反になる
車検が切れた状態で公道を走行することは、道路運送車両法に違反する行為です。
違反が発覚すると「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
さらに、車検が切れた車は「整備不良車両」とみなされ、違反点数6点が加算されることに。
これは30日間の免許停止処分に相当するため「うっかり」であったとしても、車検切れで走行することのリスクは決して小さくないのです。
自賠責保険が切れている場合の追加罰則

車検が切れている車は、ほぼ確実に自賠責保険も切れています。
自賠責保険の有効期間も車検同様2年(新車の場合3年)と設定されており、車検のタイミングで更新する人がほとんどです。
無保険状態での運転はさらに重い罰則が科され「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。
また、無保険での走行は違反点数12点が加算され、即座に「免許停止処分」または「免許取消処分」となってしまいます。
万が一事故を起こした場合は、被害者への賠償はすべて自己負担に……。
車検や自賠責保険の有効期間切れは、想像以上のリスクを伴うのです。
車検切れは運転者以外も分かる?
車検切れは、警察や行政機関だけでなく、第三者にも判別されることがあります。
- 車検ステッカーの期限
- ナンバーのデータ照会
- 駐車場での取り締まり
車検ステッカーは車のフロントガラスに貼り付けてあるため、簡単に第三者が確認可能なのです。
車検切れの車を駐車場に放置していたら、ある日突然指摘されることもあるかもしれません。
車検の有効期限切れを防ぐための対策

車検の期限をうっかり忘れてしまうと、車を使えなくなるだけでなく、思わぬ罰則を受けることにもつながります。
日頃から意識して確認する習慣をつけることで、期限切れを未然に防ぐことが可能です。
ここでは、車検満了日を忘れずに管理するための具体的な対策について解説します。
定期的に満了日を確認する習慣をつける
車検の期限は、普段の運転では意識しにくいもの。
そのため、定期的に車検証を確認する習慣をつけることが大切です。
スマートフォンのカレンダーに「車検満了日」を登録し、アラートを設定するのも有効な方法です。
事前に車検の予約をしておく重要性

車検はギリギリになってから予約しようとしても、混雑していて希望日に受けられないこともあります。
特に年度末や長期休暇前は、車検の予約が集中しやすいため、早めにスケジュールを確保するのが賢明です。
ディーラーや整備工場の多くは、2〜3カ月前から車検の予約を受け付けています。
早めの予約で、余裕を持って車検を済ませましょう。
車検の有効期限が切れてしまった場合の対処法

万が一、車検の有効期限が過ぎてしまった場合でも、適切に対処すれば問題はありません。
ただし、車検切れの車は公道を走れないため、移動方法を考える必要があり、注意が必要です。
ここでは、車検の有効期限が切れてしまった場合の対処法について解説します。
仮ナンバーを取得して車検場まで移動する
車検が切れた車を自走して車検場まで持ち込むには、「仮ナンバー(自動車臨時運行許可臨時運行許可番号標)」を取得する方法があります。
仮ナンバーは管轄の自治体から貸与される、一定期間だけ有効なナンバープレートです。
取得するには、以下の書類を各市区町村役場へ持っていく必要があります。
- 車検証(車検が切れていても可)
- 自賠責保険の加入証明書(有効期間内のもの)
- 運転免許証
- 申請書(役所で用意されている)
- 印鑑
- 手数料(750円ほど)
注意点として、仮ナンバーを取り付けたとしても行きたいところへ自由に行けるわけではないことがあげられます。

仮ナンバーの手続き時には、目的地やそこまでの経由地、使用目的などを事前に決めておく必要があり、そこから離れた場所への移動は原則禁止されているのです。
また、仮ナンバーの有効期間は通常1〜5日程度。
仮ナンバーはあくまでも緊急措置となるため、速やかに車検を受けてから仮ナンバーを返却しましょう。
陸送・引き取りサービスを利用する

仮ナンバーの取得が難しい場合は、陸送サービスを利用する方法もあります。
陸送サービスは、積載車を利用して車検切れの車を整備工場や車検場まで運んでもらう手段です。
レッカー車での牽引は自走扱いとなるため、車検切れの車は対応不可となるため注意しましょう。
陸送費用は距離や業者によって異なりますが、数千円から数万円程度かかることが一般的。
特に長距離の場合は費用が高くなるため、事前に複数の業者から見積もりを出して比較するのがおすすめです。
車を売却する選択肢もある
車検の更新に高額な費用がかかる場合や、長期間放置していた車なら、売却の検討も一つの手です。
特に人気のある車種や状態の良い車であれば、車検切れでも高値で売れる可能性があります。
売却を検討する際には、複数の業者に査定を依頼し、もっとも条件の良い業者を選ぶのがおすすめです。
特に、中古車買取業者や輸出向けのバイヤーは、車検の有無に関わらず査定してくれるケースが多いです。
【車検切れの車を売却する際のポイント】
- できるだけ早めに査定を依頼する(放置すると価値が下がる)
- 車検が切れていることを正直に伝える
- 陸送サービス付きの買取業者を選ぶ
車検費用を負担せずに手放せるため、車を買い替えるタイミングとしても適しているかもしれません。
車検切れの車を車検に通すために必要な費用

車検切れの車を再び公道で走らせるには、通常の車検費用に加えて追加のコストが発生することがあります。
具体的な費用としては、以下のものがあげられます。
- 仮ナンバー取得費用(申請手数料約750円)
- 自賠責保険料(25カ月分を支払う必要がある)
- 陸送費用(業者に依頼する場合は数千~数万円)
また、長期間放置していた車の場合、バッテリーやタイヤの交換が必要になることもあります。
これらの追加費用を考慮し、車検を受けるか、別の選択肢を取るか慎重に判断しましょう。
車検切れに関するよくある疑問

車検切れの車を所有していると、さまざまな疑問が浮かぶことがあります。
ここでは、特に多く寄せられる疑問について解説します。
車検切れの車を持っているだけでも違反になる?
車検切れの車を「所有しているだけ」では違反にはなりません。
極論、公道を走らないのであれば車検切れのまま放置しても問題はありません。
ただ、車は走る走らない関係なく、所持しているだけで税金がかかってしまうもの。
コレクション目的であれば良いかもしれませんが、そうでない場合はなるべく早めに対応した方が良いでしょう。
車検切れを防ぎ、安全に車を維持しよう

車検は自分だけでなく、通行人やほかの運転手の安全を確保するためにもとても重要な検査です。
有効期限を過ぎると、公道を走行できなくなるだけでなく、罰則のリスクも発生します。
車検切れを防ぐためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 定期的に車検満了日を確認する
- 事前に車検の予約をしておく
- 万が一切れてしまった場合は適切に対処する
車を安全に維持し、快適なカーライフを送るためにも、車検の管理をしっかり行うことが大切です。
早めの準備で、余裕を持って対応できるようにしましょう。
