車検と自賠責の期限がずれるのは普通?損しないための基礎知識

車検と自賠責保険。どちらも車を安全に使うために欠かせないものですが、有効期限を確認してみると「ずれている?」と不思議に思ったことはないでしょうか。
実は、このずれにはきちんとした理由があります。
今回は、ずれの仕組みや注意点「これって損をしているのでは?」と感じるケースについて、分かりやすく整理していきます。

自賠責と車検の有効期限にずれが生じるのはなぜ?

自賠責保険と車検の有効期限がずれているのは、車検を通す前に自賠責保険の有効期限が先に切れてしまう事態を避けるためです。
車検を受けるには、自賠責保険に加入していることが前提となります。
そのため、整備不良などで車検の通過に時間がかかった場合、自賠責保険の期限が先に切れてしまうと車検を一旦中断し、先に自賠責保険を更新してから再度車検を受けなければなりません。
さらに、車検の有効期限も同時に切れていた場合には公道を走れなくなるため、仮ナンバーを取得して車を持ち込むなどの手間も発生することに……。
こうした事態を避けるために、自賠責保険はあらかじめ車検より1カ月長い期間で契約することが多くなっています。
例えば、車検が36カ月(3年)後にあるのであれば、自賠責保険は37カ月で契約されることが一般的です。
2年ごとの車検でも、同様に25カ月で契約するのが主流です。
関連記事:車検切れとは?どうなる?有効期限切れのリスクと対処法を徹底解説
「ずれがない」場合の例と注意点

車検と自賠責保険の有効期限にずれがなく、ぴったり一致していても、法的な問題はありません。
実際、費用を抑えたい場合や使用予定に応じて、車検と同じ期間で契約することもあります。
整備に問題がなければ、そのままスムーズに車検を終えることができるでしょう。
ただし、想定よりも時間がかかってしまったときには注意が必要です。
万が一、自賠責保険の有効期限が先に切れてしまうと、再度の手続きが必要となり、費用や手間が増える恐れがあります。
業者に任せる場合でも、契約内容はきちんと確認しておくことが大切です。
1カ月の余裕を持って契約するかどうかは、リスクを理解したうえで判断したいところです。
業者に任せきりにせず、自分でも契約期間を把握しておきましょう。
期限のずれは損?

自賠責保険は、前の契約をすべて使い切らずに終了するケースもあります。
たとえば、車検満了が2027年3月、自賠責保険の満了が2027年4月だったとしましょう。
2027年2月に車検を受けた場合、自賠責保険の期間がふた月分余ってしまいます。
しかしこの場合でも、車検に必要な次の期間(24カ月+1カ月)の契約が必要になるのです。
このとき、まだ使えるはずだった保険期間が無駄になってしまったように感じる人もいるかもしれません。
とはいえ、このような運用は制度上ごく一般的で、ほぼすべての人が同じ条件で対応しています。
余った分の繰り越しや返金もありませんが、特別に「損をしている」と考える必要はないでしょう。
むしろ、余分に契約していないことでかえって不便や追加の出費につながる可能性があります。
整備や再手続きがかならずしもスムーズに進むとは限りませんからね。
車検を受けるタイミングをギリギリまで待てば無駄は減るかもしれませんが、その分リスクも高まります。
おすすめはできません。
関連記事:車検が切れたときの罰則や気づいてからすべき対応、注意点を解説
ずれを正しく理解して無駄のない車検を

車検と自賠責保険の有効期限にずれがあるのは、万が一のトラブルや手続きを避けるための仕組みです。
ずれによって一時的に「損をした」と感じることがあっても、それは安全でスムーズな車検を進めるために必要な配慮と言えるでしょう。
制度の背景を理解しておくことで、自賠責保険の契約期間をどうするか、業者にどう依頼するかといった判断も、より納得のいくものになります。
自分のライフスタイルや車の使い方に合わせて、賢く準備を進めてみましょう!
