車検に必要なもの一覧|書類と持ち物を完全ガイド

車検は愛車を安全に保つための大切な手続きです。
しかし、いざ準備を始めると「何を用意すればいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は車検の種類や車種による違いを踏まえ、必要な書類や持ち物を分かりやすく解説します。
このコラムを参考に、準備万端な状態で車検に挑みましょう!

車検の種類によって準備するものが異なる

車検には主に「ユーザー車検」と「業者車検」の2種類があります。
それぞれによって準備するものが異なるため、各特徴を理解し、適切な準備を進めましょう。
ユーザー車検と業者車検の違い
ユーザー車検は、車の所有者が自ら(※)陸運局で車検を行う方法です。
必要な書類や持ち物の準備、検査の予約、当日の対応まで、すべて自己責任となります。
一方、業者車検はディーラーや整備工場などの業者に依頼する方法で、手続きや検査の代行をしてもらえるため、準備の負担が軽減されます。
ただし、代行手数料が発生する点は注意が必要です。
※委任状を作成すれば所有者以外がユーザー車検をすることが可能。
一般的には業者に頼むことが多い

ユーザー車検は、なるべく低コストで車検を済ませたいと考えている人にとって、一つの選択肢となりうるかもしれません。
しかし、ユーザー車検にはそれなりの知識や道具が必要です。
日頃から自分で車の修理をしたりメンテナンスをしたりしている人は支障ありませんが、そうでない方にとっては道具を買う費用など、さまざまなコストがかかることが考えられます。
慣れていない場合は業者に頼んだ方が、結果的に費用面でも時間面でもコストカットになるかもしれませんね。
軽自動車と普通車での違い
車検に必要な書類や手続きは、軽自動車(黄色ナンバー)と普通車でも一部異なります。
例えば、軽自動車は「軽自動車検査協会」で手続きを行い、普通車は主に「運輸支局」での手続きが必要です。
ちなみに、軽貨物(黒ナンバー)については、事前に運輸支局への届け出が必要であるため、該当する方は気をつけましょう。
軽自動車と普通自動車の車検については、税金や保険料の金額にも違いがあるため、事前に確認しておくのをおすすめします。
車検時にかならず必要となる基本書類

車検を受けるには、いくつかの書類が必須となります。
うっかり忘れてしまうと、その日の車検が受けられなくなる可能性も。
そうならないためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう!
基本的には、今回紹介する書類+印鑑があれば事足りますが、業者によっては必要な書類が異なる場合があります。
不安な方は書類を準備したうえで、ほかに必要なものがあるかを事前に確認しておくと安心です。
今回は業者に車検を頼む際に必要な書類に限定して紹介します。
必須書類 | 場合によって必要なもの | |
普通自動車 | ・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証明書 ・身分証明書 | ・保安基準適合証 (指定整備⼯場による車検の場合) ・自動車税(種別割)納税証明書(電子対応が可能な場合、不要) |
軽自動車 | ・自動車検査証(車検証) ・自賠責保険証明書 ・身分証明書 | ・保安基準適合証 (指定整備⼯場による車検の場合) ・軽自動車税(種別割)納税証明書(電子対応が可能な場合、不要) |
「普通自動車と軽自動車で準備する書類が異なる」と事前に説明しましたが、それについてもまとめて紹介しています。
自動車検査証(車検証)
車検証は車の「戸籍」のような存在です。
所有者や車両の情報が記載されており、常に車内に保管しておくことが法律で定められています。
日常的にはあまり見る機会が少ないかもしれませんが、車検時には提示が必要不可欠。
万が一、紛失してしまった場合は、再発行の手続きが必要になるため、余裕を持って準備しましょう。
どこで手に入る?

車検証は車内に置いてあることが基本です。
ダッシュボードなどに保管していることが多いでしょう。
もし見当たらない場合はすぐに再発行の手続きをしましょう。
再発行の手続きは、ディーラーや代行業者に依頼するか、自分で運輸支局(※)に行くかの2種類です。
手続きの時間は混雑状況にもよりますが、一般的に30分から1時間程度と短いため、気づいたタイミングで発行しに行くと良いでしょう。
必要な書類は、本人確認書類以外は運輸支局に置いてあります。
各サイトでダウンロードも可能なので、事前に記入しておくのもおすすめです。
※軽自動車の場合、軽自動車検査協会での再発行になる。
自賠責保険証明書
自賠責保険は、すべての車が加入を義務づけられている保険です。
この証明書も車検時にかならず提出する書類の一つ。
注意したいのは、有効期限が車検日をしっかりとカバーしているかどうか。
期限切れの場合、更新を済ませる必要があります。
更新をしないと、自賠責保険証明書が手に入らないためです。
直前になって慌てないよう、前もって確認しておくと安心です。
ちなみに、基本的に自賠責保険の更新は車検のタイミングで行うため、自賠責保険切れ=車検切れである場合がほとんどです。
車検の更新日が過ぎていた、いわゆる「車検切れ」の対処法については下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:車検切れとは?どうなる?有効期限切れのリスクと対処法を徹底解説
どこで手に入る?
自賠責保険証明書も、車検証と同様に携帯することが義務付けられています。
ダッシュボードやサイドポケットなど、書類を保管できそうな場所を探してみましょう。
もし見つからない場合、加入している保険会社に連絡して、再発行の手続きを行うことになります。
詳細な手続きの流れは保険会社によって異なるため、公式ページをチェックしましょう。
もし加入した保険会社が分からない場合は、車を購入した店舗または車検を受けた業者へ確認する必要があります。
自動車税(種別割)納税証明書または軽自動車税納税証明書

自動車税(または軽自動車税)を納めたことを証明する書類も、必要な場合があります。
この書類は、普通車の場合「自動車税納税証明書」、軽自動車なら「軽自動車税納税証明書」がそれにあたります。
ただ、これらの証明書は納税情報の電子化が進んだことで、地域によっては書類の提出が不要なところもあります。
特に、普通自動車の場合は2015年度から電子化の動きがみられるようになったため、今ではほとんどの地域で書類の提出が不要となっています。
軽自動車の方も同様に電子化の動きがありますが、2024年度の開始と比較的遅いスタートでした。
そのため、地域によってはまだ電子化が済んでいない可能性も考えられます。
「自動車税納税証明書 ◯◯市」などで検索をしてみて、確認してみるのが無難でしょう。
どこで手に入る?
納税証明書が手元になく、かつ電子での確認が取れなかった場合、窓口で再発行してもらう必要があります。
普通自動車の場合は自動車税事務所や都道府県税事務所もしくは管轄の運輸支局。
軽自動車の場合は市役所や区役所などの窓口での手続きとなります。

書類準備で気をつけたいポイント
書類が揃っていても、内容に不備があれば車検が通らない場合も。
細かな部分にも目を向けておきましょう。
納税証明書は年度や支払い済みかどうかが記載されているかを確認

納税証明書で特に注意すべきなのが「どの年度分か」と「納税済であるか」の記載です。
毎年発行されるため、古い年度のものを間違って持参してしまうケースも少なくありません。
また、支払い直後は記録が反映されていない場合もあるので、余裕を持って取得しておくと安心です。
自賠責保険は次回車検期間分まで契約を済ませておく
自賠責保険の有効期限が車検満了日を下回っていると、継続車検に通りません。
そのため、次の車検までの期間(通常は24カ月)をカバーする契約が求められます。
保険会社や整備工場で更新できますので、車検と合わせて手続きしてしまうのがスムーズです。
書類以外に必要な持ち物・備品

書類だけでなく、持ち物や備品の準備も忘れてはいけません。
普段意識しないものほど、見落としやすいので注意しましょう。
印鑑(認印)
申請書や書類への捺印が必要な場合があります。
かならずしも実印である必要はなく、一般的な認印で問題ありませんが、忘れてしまうとその場で手続きが進められなくなってしまいます。
ロックナットアダプター
盲点かもしれませんが、場合によってはロックナットアダプターが必要です。
ホイールにロックナットを装着している車両は、専用のアダプターがなければ取り外しができません。
点検項目にタイヤの取り外しが含まれるため、車検の際には必要不可欠です。
車のグローブボックスやトランクに入れておきましょう。
発炎筒
万が一の事故やトラブル時に使用される発炎筒ですが、車検ではその「有効期限」も確認されます。
期限切れのものは不合格となる可能性があるため、事前にチェックしておきましょう。
期限が近い場合は、カー用品店などで新しいものを準備しておくのがおすすめです。
車検費用

車検にかかる費用も持参すべき「持ち物」の一つ。
現金払いに限定している業者もあれば、クレジットカードや電子マネーが使える店舗もあります。
事前に支払い方法を確認しておくと安心です。
万一足りなかった場合に備え、現金とカード両方を準備しておくとスムーズでしょう。
車検費用の目安と出費を抑えるコツ

車検は避けられない出費ですが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。
もちろん、出費を抑えれば良いわけではありません。
自分が何を重要視するのか、安価であればあるほど良いのか、そこそこのクオリティも望むのかなど、きちんと認識したうえでコツを実践してみましょう!
車検費用は業者・整備内容で大きく変動
車検で発生する費用の総額は、一律ではありません。
整備の内容や依頼する業者によって、金額に大きな差が生じるのです。
例えば、ディーラー車検は安心感がありますが、その分費用はやや高め。
一方、民間の整備工場や車検専門店では、費用を抑えたプランが用意されていることも。
複数の業者から見積もりを取り、内容をよく比較することが大切です。
特に「整備項目の明細」はしっかりと確認し、不明な点は質問してみましょう。
車検費用の内訳については、下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:車検とは?意味や重要性、準備物や費用などの基本について解説
割引やキャンペーンを利用してお得に
車検費用を抑えるもう一つのポイントは、割引制度の活用です。
早めの予約をすると適用される「早期割引」や、知人の紹介で受けられる「紹介割引」など、さまざまなサービスが提供されています。
中には、インターネットからの申し込み限定のキャンペーンを実施している店舗も。
タイミングをみて上手に活用することで、想定よりもお得に車検を受けられるかもしれません。
車検に必要なものを事前に確認してスムーズに準備しよう

車検をスムーズに進めるためには、事前の準備がカギとなります。
必要書類の確認や当日の持ち物、費用の支払い方法まで、事前にチェックしておくことで当日のトラブルを最低限に抑えることができるでしょう。
自分で手続きを行うユーザー車検の場合は特に、丁寧な準備が求められます。
信頼できる情報源をもとに、必要な書類や注意点をしっかり把握しておきましょう!
